さらに、転院

2010年6月

告知の翌々日、やっと、
診てもらえる病院と医師が決まりました。

B病院への予約を入れておきながら、
C病院へ行ってしまったのです。

人生初の“二股”です。
　（　▲　コレが言いたかった？）

罪悪感もあったのですが、
事情はわかってもらえました。

そして、その日にお会いした医師、C先生、
初対面の3秒で「この人に診てもらおう」と決めました。

B病院に置き去りにした針生検等のデータも、
出してもらえることになりました。

少し回り道でしたが、これで一安心？
いえ、やっと、
治療のスタート台に立つことができたのです。

C医師の初診のあと、こまごまとした検査を経て、
その日メインのCT検査を受けました。

そして、再度、C医師と面談。

そこに広げられた検査結果のプリントには、
予想もしなかった文字が記入されていたのでした…

行列のできる医師

2010年6月


紹介状とデータを持って、午前中にB病院へ到着。

受付を済ませて待ち、看護師さんとの面談へ。

まず初めに言われたのは、
B医師の診察を受けられるのは、2週間後であること。

医師に会うまで２週間もかかる…気が遠くなりそうです。

事前調査で、B医師の手術は順番待ちと聞いてはいたものの、
会うまででさえも、そんなに待つとは、思っても見ませんでした。

「A病院の院長先生が電話で連絡をしてくれて、
今日来たのですが…」と言うと、
看護師さんが、B医師と連絡を取ってくれました。

ところが、
「連絡は受けていないそうです。」
「診察を希望するなら、通常の初診予約が必要です。」と。

特別扱いを望んでいたわけではないし、
当然の手順だと納得はしました。

2週間という長さに戸惑いながらも、
初診の予約を入れました。

とりあえず、外科の他の医師と面談し、
今日できる検査を受けるよう、指示されました。
（この時間、約1分、記憶の上では…）

検査を受けている最中も、
不安を抱えたまま待つ2週間は長いと感じていました。

それに、医師に会ってみて、相性が悪そうだワ、
なんてことになっても、もう後戻りできないんですしね。

そこで、ドキドキしながら、
もうひとつの候補、C病院へ電話で聞いてみることに。

A病院、B病院での経緯を話したところ、
「明日、予約なしで初診の診察ができる。
手術まで1ヶ月以上待つ予約状況ではない。
紹介状をもらって来れなくても大丈夫。」
と、親切な対応でした。

それから、B病院の看護師さんに、迷いを告げて、
データを返してもらえるかどうか尋ねました。

返事は、B医師が紹介状を書かないと、
データを出すことはできないから、すぐには無理とのこと。

結局、初診・CT検査・骨シンチ検査の予約を入れ、
B病院をあとにしたのでした。


…失意のまま１日が終わるかに思えましたが、
帰宅すると、思いがけず、
うれしい贈り物が待っていてくれました。

転院の申し入れ

2010年6月

ひとりで告知を受けた翌日、両親とともに、A病院へ。

まずは、院長先生からの説明。

癌の種類は、“粘液がん”。
（特殊な種類に分類される、と本を見せてくれました）

腫瘍の大きさは、4×3.5×2.5センチくらい。
温存はできない。
病気は、今わかっている段階で、ステージⅡb、である。
腋の下のリンパ節に転移している。

さて、どこで治療を受けるかの話に…

「大きいところは、かなり待つけど、
ここなら長くは待たないよ。
もちろん、手術までに、全身の検査をして、
術後の治療もきっちりやるからね。
ぼくがしっかり面倒をみるよ。」
と、院長先生。

回答できないでいると、続けて、
「でも、大きいところがいいなら、
B病院のB医師を紹介するよ。」と。

前日に、転院の考えも伝えてあったものの、
切り出しにくかったのですが、
その一言でお願いしやすくなりました。

「院長先生には、病気を発見していただいて、
大変ありがたく思っています。
治療をお願いすることも検討しましたが、
B病院をご紹介いただけるなら、
そちらへ行ってみたいと思います。」と父。

「じゃ、電話しておくね。」と院長先生。

紹介状とデータを受け取り、看護師さんに、
「今日行っても大丈夫ですか？」と聞くと、
「はい」と言われたので、そのまま、
車で1時間のB病院へ移動しました。

これで、診てもらえる病院が決まったも同然と、
一同安堵したのですが、
そうはスンナリ行かない状況が待ち受けていたのでした。